多くの分娩中の女性がお湯に浸かることで陣痛が和らぐと感じています.病院以外の場所では,陣痛中も出産時もお湯に浸かることは長年にわたって行われてきました.多くの病院が,入浴サービスを提供しているか,家族が入浴の機材を持ち込むことを許可しています.
方法–
産婦が分娩活動期に入ったら(子宮口の開大>4cm)お湯に浸かります.お湯は体温に近い温度で(37℃から38℃),適度に体を冷ますことができるよう乳頭の高さを越えないようにします.
時間–
多くの女性は,1-1.5時間お湯に浸かると陣痛の痛みが和らぐと感じます.複数の研究が,それより長い時間浸かることは痛みを改善せず赤ちゃんの体温上昇が長く危険を高めると示唆しています.
限界:
・胎児の体温は,母体の体温よりも約1℃高くなっています.長い間胎児が高い温度に曝されると,胎児の状態が悪くなるおそれがあるため,お湯の温度は37℃を超えないようにし,1回あたりの入浴時間は2時間以内とすることが推奨されています.
・多くの研究は,前期破水の状態においてもお産中の入浴により感染や抗生物質の使用が増えることはないこと示しています.前期破水における入浴の是非の勧告を行うためには,前期破水における入浴についてさらに研究を行う必要があります.
入浴に関する上記の情報は以下の研究より得られました.お産中の入浴について,より多くの情報を希望される場合は,お勧めする資料を読み,お勧めするウェブサイトを参照し,最終的には産科主治医と話し合ってください.
ウェブリンク: http://www.parentsplace.com/pregnancy/labor/articles/0,,239070_114897,00.html
Simkin P.,Nonpharmacologic relief of pain during labor:Systematic reviews of five methods, Am J Obstet gynecol, 2002 Volume 186, Number 5 ,S131-159
Odent M. Water birth: what’s next. Electronic response to: Perinatal mortality and morbidity among babies delivered in water: surveillance study and postal survey. Available at www.bmj.com
Odent M Can water immersion stop labor? J Nurse Midwifery 1997;42: 414-16