帝王切開後の術後鎮痛 手術のあとに痛みはありますか? お腹の傷が痛いと,ベッドから離れて積極的に赤ちゃんの世話をすることが制限される場合があります.このため術後の痛みを抑えて快適に過ごすことが必要です. どのように痛みを抑えるのですか? 鎮痛薬は飲み薬であったり,点滴から投与したり,すでに受けた局所麻酔の薬の中に含まれていることもあります(訳者注:他に筋肉注射や坐薬の痛み止めを使うこともあります).手術後数時間は胃の受け付けがよくないため,薬を飲むことはできません. 麻酔科医はお母さんが術後快適に過ごせるような処置をします(訳者注:日本では産科医が主となって鎮痛薬の処方をする施設も多くあります).鎮痛方法は帝王切開時の麻酔方法により決まります.もし局所麻酔を受けたならば.くも膜下または硬膜外腔に投与された鎮痛薬が術後18時間くらいまで効き,眠くなることもありません(訳者注:日本ではくも膜下に術後鎮痛のための薬が投与されることはまれです.硬膜外麻酔を行った場合の多くは,術後持続的に鎮痛薬を硬膜外腔に投与し鎮痛を図ります).もし全身麻酔を受けたのなら,通常自分で調節しながら点滴による鎮痛薬を投与し痛みを抑えます.術後1日目以降の鎮痛には,通常飲み薬が用いられます(訳者注:筋肉注射や坐薬を使うこともあります). 副作用はありますか? 通常,鎮痛薬は麻薬の一種です.麻薬投与に関連した副作用には,眠気,かゆみ,吐き気,呼吸が遅くなること,便秘があります.これらの副作用は通常わずかであり,治療せずに落ち着きます.もし副作用がいかなる程度であれ気になれば,治療する薬があります.母乳中に麻薬がたくさん蓄積することはありません.麻薬依存症になるのではないかと心配すべきでもありません.起こりうる副作用のことを心配するよりも,手術後には起き上がり離床できるくらい快適であることが重要なのです. このウェブサイトをよりよくするためにご意見をお寄せください.