アロマテラピーは陣痛中のストレスを軽減する方法として最近注目を集めています.より多くの女性が,陣痛中に立ちはだかる感情面での問題を乗り切るための助けとして,アロマテラピーを用いるようになっています.直接または間接的な鎮痛効果はありませんが,分娩中の母体はアロマテラピーがストレスを軽減してくれ,それによって痛みに耐えやすくなると感じるかもしれません.妊婦さんのケアをする人や家族や友人のストレスも軽減し,妊婦さんをとりまく環境全てをよくするのだという人もいます.
方法
バラやラベンダー,ネロリ(橙花),クラリセージなどのエッセンシャルオイルを浴槽やマッサージオイルに入れたり,顔に当てる布につけたり,分娩中のお母さんの肌に塗ります.お産のステージによって異なるオイルを選ぶことを勧められます.赤ちゃんが下降し始める前の分娩第1期には,気持ちを落ち着かせるオイルを使用することが勧められます.赤ちゃんが下降して分娩に至る分娩第2期には,ペパーミントのようなオイルが強い気持ちを増進してくれると多くの人が感じています.以下に一般的に使われるオイルのいくつかとその特性を記します.
カモミール
気持ちを落ち着かせる作用があり,月経前の痛みや緊張,消化不良に有用.軽い抗アレルギー作用があり鼻炎,にきび,湿疹や敏感な肌に有用
ユーカリ
抗菌作用があり,咳や風邪,気管支炎,ウィルス感染,筋肉痛,リウマチに有用
ゲルマニウム
軽い収斂作用があり切り傷や痛む箇所,真菌感染に有用.虫除け剤として有用.皮膚の問題,湿疹,打ち身を緩和する.軽い利尿作用や抗うつ作用あり
ラベンダー
軽い鎮痛作用があり,頭痛,創傷,打撲傷に有用.抗菌作用あり.虫刺され,脂性肌,にきび,腫れ.不眠,軽い憂うつ状態を軽減する
バラ
抗菌作用があり,のどや副鼻腔の痛み,うっ血,腫れに有用.軽い鎮静作用があり,不眠,月経前緊張や痛み,更年期,性欲減退に有用
ローズマリー
軽い刺激作用があり,肉体精神疲労,健忘症,呼吸器系の問題,喘息,リューマチや痛みに有用
サンダルウッド
抗菌作用があり,乾燥肌,ひび割れ,あかぎれ,にきび肌に有用.瞑想中に気持ちを落ち着かせ,リラックスさせてくれる.催淫作用
マージョラム
軽い鎮痛作用があり月経痛,頭痛,のどの痛みに有用.軽い鎮静作用あり不眠に有用.体を温め,血液循環を良くし,にきびに有用
ジャスミン
抗うつ作用があり,憂うつ状態や出産後の憂うつに有用.陣痛中に子宮の収縮を強くする.催淫作用
ネロリ
軽い鎮静作用があり不眠,不安,神経過敏な憂うつに有用.穏やかに体を温め,血液循環を良くする.にきび,月経前緊張や痛み,背中の痛みに有用
(www.aworldofaromatherapy.comより)
限界
・直接の鎮痛作用がない
・特定のオイル材に対してアレルギー反応を示す女性がいる
・多くの女性はお産中ある種のにおいに対して特に敏感で,お産に伴う嘔気,嘔吐が強くなるかもしれない.
分娩中の女性においてのアロマテラピーの利点を示したよい研究はありませんが,アロマテラピーには最小限のリスクと費用しか伴わないため,多くの分娩中の女性にとってよい補助手段となります.お産が始まる前に,気に入ったオイルを選んでおくとよいでしょう.そうすれば嘔気や嘔吐を強めるにおいを使わなくて済みます.
上記の情報は下に示す出版物より得られました.アロマテラピーに関してより多くの情報を希望する場合は,資料を読み担当産科医と話し合ってください.
ウェブリンク:
http://www.childbirthsolutions.com/articles/birth/aromabirth/index.php https://www.securewebexchange.com/poyanaturals.com/catalog/default.php
Murray Enkin, A Guide to Effective Care in Pregnancy and Childbirth, 3rd Ed., Oxford University Press, 2000
(写真はpoyanaturals.com提供)
(Thanks to poyanaturals.com for graphic)