アメリカ産婦人科学会の最近の見解(2002年2月)
初産婦において子宮口の開大が5cmに満たないうちに硬膜外麻酔を開始すると帝王切開率が上がるかについては研究によって結果が異なる.施設によっては産婦の子宮口が4-5cmに広がるまで硬膜外麻酔を始めないところも存在する.それらの施設で産婦の鎮痛の要望に応えるようなプロトコールがあるかどうかは明らかでない.分娩は多くの妊婦に激しい痛みをもたらす.安全に対処できる激しい痛みに人が苦しむことを容認するような状況は,分娩以外に存在しない.よってアメリカ産婦人科学会は,アメリカ麻酔科学会と共に公示した以下の見解を再度明言するものである.「医師の監視の下,医学的禁忌がない限り,母体の要望さえあれば分娩時鎮痛の医学的適応となる.」産科医,麻酔科医,産婦,その他の支援スタッフで鎮痛法についてよく話し合うべきである.
(訳者注:子宮口の開大が5cmに満たないうちに硬膜外鎮痛を始めても帝王切開率は上昇しないという研究結果が2005年に発表され(Wong
et al. N Engl J Med 2005;352:655),2006年6月にアメリカ産婦人科学会は上記下線の見解を再度確認するに至りました.) |